モニターの高さを上げる方法は、台とアームの2つです。アームのほうが自由度が高いのは事実ですが、台にしかできないことが2つあります。そして、そもそもアームが付かない机が少なくありません。
台が勝つ2つの点
1. 下の空間が収納になる
アームはモニターを宙に浮かせますが、その真下は手が届きにくく、視界を塞ぐので結局使われません。台の場合は、天板と机のあいだにトンネルができます。ここにキーボードを丸ごと滑り込ませられるのが大きい。
作業を終えたときにキーボードを押し込めば、机の手前がまるごと空きます。書き物をする、書類を広げる、といった作業がある人には、これが決定打になります。アームに替えて、この収納を失って後悔するパターンは実際にあります。
2. 揺れない
台は机に置いているだけなので、キーボードを強く打っても、机に肘をついても揺れません。アームは支柱とジョイントで支えるぶん、必ず多少は揺れます。打鍵が強い人ほど、この差は体感で出ます。
台が向かない場面
- 高さを細かく調整したい — 台の高さは固定(段階式でも2〜3段)。1cm単位では合わせられない
- モニターを縦回転させたい — 台では不可能
- モニターを3枚以上並べる/上下2段 — アーム一択
- 机の奥行きが浅い — 台は机の上に置くので、奥行きを消費します。アームなら机の外側にせり出せる
- 机の手前を広く使いたい — 台の設置面積ぶん、天板が埋まる
4番目が、台とアームの本質的な分かれ目です。台は面積を消費し、アームは面積を消費しない代わりに天板の縁を占有する。 どちらが困るかで決まります。
アームが物理的に付かない机では、台しかない
ここは重要なので繰り返します。モニターアームは、次の机には取り付けられません。
- ガラス天板 — 割れます
- 中空構造(ハニカム)の天板 — 挟むと潰れます
- 奥に幕板や配線トレーがあり、縁を挟めない机
- 壁にぴったり付けていて、背後に余白がない配置
- 天板が厚すぎる/薄すぎる(対応範囲はおおむね10〜85mm)
これらに当てはまるなら、選択肢は台か、モニター付属のスタンドかになります。アームを買ってから気づくと、返品の手間になります。机の裏を覗いて、縁が挟める形かを先に確認してください。
高さの決め方
台を選ぶときに一番大事なのは高さです。目安は画面の上端が、座ったときの目の高さかやや下。目線がわずかに下向きになる位置です。
必要な高さは、次で計算できます。
- 座って、まっすぐ前を見たときの目の高さを測る(床から)
- そこから、机の天板の高さを引く
- さらに、モニターの「画面上端までの高さ」(スタンド込み)を引く
- 残った数値が、必要な台の高さ
結果がマイナスなら、台は不要です。プラスでも、多くの場合必要な高さは5〜12cm程度に収まります。市販のモニター台の多分は8〜10cm前後なので、たいてい足ります。
選ぶときに見るところ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 耐荷重 | モニター重量+載せる小物。10kg前後あれば大半は足りる |
| 下の高さ(クリアランス) | キーボードが入るか。薄型キーボードなら4cm、メカニカルなら6cm以上欲しい |
| 幅と奥行き | モニタースタンドの底面が収まるか。特に円形・弧状の底面は奥行きを食う |
| 素材 | 木製は重く安定、スチールは薄くて丈夫、樹脂は軽いがたわむ |
| 脚の位置 | 四隅か、両端の板か。両端板タイプは横から物を入れられない |
| USBハブ内蔵 | 便利だが、故障するとハブごと交換になる |
見落としやすいのが下のクリアランスです。「キーボードを収納する」目的で買うなら、手持ちのキーボードの厚み(脚を立てた状態)を測ってから選んでください。数mm足りずに入らない、というのが一番もったいない失敗です。
代用でどこまでいけるか
高さが数cmでいいなら、次で足ります。効果を確かめてから買うほうが無駄がありません。
- 本を積む — 高さが自由。安定性は劣る
- 引き出し式の収納ケース — 高さが出すぎることが多い
- すのこ — 通気性がよく安価
本を積んで1週間使い、首が楽になるかを確かめる。楽になったなら、その高さに合う台を買う。この順番なら外しません。
まとめ
- 台にしかできないのは「下を収納にする」「揺れない」の2つ
- アームにしかできないのは縦回転・多面構成・細かい高さ調整・机の外へのせり出し
- ガラス天板・中空天板・幕板のある机ではアームが付かない。この場合は台一択
- 必要な高さは目の高さ −(机の高さ + モニター上端までの高さ)で計算できる
- 収納目的なら、下のクリアランスとキーボードの厚みを先に測る