差込口が縦に並んだタワー型は、ACアダプタ同士が干渉せず、たくさん挿せるのが利点です。ただし平型のタップにはない弱点がいくつかあります。買う前に知っておくと、置き場所と使い方が変わります。
デメリットは主に5つ
1. 熱がこもりやすい
これが構造上いちばん本質的な弱点です。縦に積み上がった密閉筐体の中に、複数の差込口が集まっているので、平型のように熱が横へ逃げません。
電源タップは電気を通すだけでも僅かに発熱します。そこにACアダプタ(それ自体が発熱する)が密着して並ぶと、内部温度が上がります。定格いっぱいまで使うと、この影響が無視できなくなります。
対策:差込口の数が多くても、合計消費電力は必ず定格(多くは1,500W)以内に収める。そして壁や家具にぴったり付けず、周囲に空間を空ける。カーペットや布の上に直接置かない。
2. 上面の差込口に埃がたまる
タワー型は上向きの差込口を持つ製品があります。ここは埃が真上から落ちて入ります。
差込口に埃がたまり、そこに湿気が加わると、プラグの刃の間で微弱な放電が起きて発火することがあります(トラッキング現象)。平型でも起きますが、上向きの口があるタワー型はより溜まりやすいのは確かです。
対策:使わない差込口にはキャップをする。上向きの口がある製品は、定期的に掃除機のブラシで吸う。長期間挿しっぱなしのプラグも、たまに抜いて根元を拭く。
3. 倒れる
縦に高いので、重心が高くなります。太くて硬いACアダプタのケーブルを何本も挿すと、そのテンションで引っ張られて倒れます。
倒れること自体より、倒れた拍子にプラグが半差しになるのが危険です。半差し状態は接触面積が減って発熱しやすく、これも発火の原因になります。
対策:底面が広く重いものを選ぶ。または壁付け・固定金具に対応した製品を選ぶ。ケーブルが下向きに垂れるよう配線して、横方向の力がかからないようにする。
4. 「たくさん挿せる」ことが誤解を生む
差込口が10個あっても、合計で流せる電流は変わりません。多くの製品は15A・1,500Wです。
差込口の数が多いほど「まだ挿せる」と感じてしまい、気づかないうちに合計容量を超える——これがタワー型で最も起きやすい事故の形です。特に危険なのは発熱する家電です。
- 電気ケトル:1,200〜1,300W
- 電気ストーブ:800〜1,200W
- ドライヤー:1,200W
- 電子レンジ:1,000〜1,400W
この手のものは1台で定格をほぼ使い切ります。タップに挿さず、壁のコンセントに直接挿してください。逆にPC周辺機器(PC本体・モニター・ルーター・充電器)は合計しても数百Wに収まることが多く、タップ向きです。
5. 大きくて場所を取る
平型と違い、机の下や家具の隙間に滑り込ませられません。置き場所を先に決めてから買う必要があります。前述のとおり密閉空間や布の上は避けたいので、実は置ける場所は多くありません。
それでもタワー型が向いているケース
- 大きいACアダプタが多い — 平型だと隣の口を潰す問題が、タワー型では起きにくい
- デスク周りに機器が集中している — 配線が1か所にまとまる
- USBポート内蔵タイプを使いたい — 筐体に余裕があるぶん、USB PDの高出力対応が載せやすい
1番目は本当の利点です。ACアダプタの干渉で「口はあるのに挿せない」問題は、平型では解決しづらい。
買うときに見る仕様
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| PSEマーク | 必須。無いものは選ばない |
| 定格 | 合計15A・1,500Wが一般的。使う機器の合計と照合 |
| 雷サージ保護 | あると望ましい。ただし一度大きなサージを受けると保護素子は劣化するので、永久ではない |
| 個別スイッチ | 待機電力を切れる。ただしスイッチ自体が故障点にもなる |
| ホコリ防止シャッター | 上向き口がある製品では、あったほうがいい |
| コードの太さ | 細すぎるものは避ける。定格に対して適正か |
やってはいけない使い方
- タップにタップを挿す(たこ足) — 合計容量を見失います
- 電気ケトル・ストーブ・ドライヤーを挿す — 1台で定格を使い切る
- 束ねたまま使う — 巻いたコードは放熱できず発熱します
- カーペット・布団の上に置く — 放熱できず、埃も溜まる
- 家具の裏に押し込んで放置 — 埃の点検ができなくなる
まとめ
- 本質的な弱点は熱がこもる構造。周囲に空間を空け、布の上に置かない
- 上向きの差込口は埃が入る。使わない口はキャップ、定期的に掃除
- 重心が高く倒れる。倒れて半差しになるのが危険
- 口が多くても合計1,500Wは変わらない。発熱家電は壁に直挿し
- 選ぶならPSEマーク・広い底面・シャッター付き
コメントを残す