モニターアームは「机が広くなる」「高さが自由になる」と言われますが、買ってから外した人も一定数います。この記事は、外す理由になりやすい条件を先に並べます。天板の条件で決まる部分が大きいので、買う前に測ってください。
やめる理由になりやすい5つ
1. 結局、一度決めた位置から動かさない
アームの売りは可動域ですが、実際の運用では自分に合う位置は1つで、そこに固定したら動かしません。動かすのは、来客に画面を見せるときや、掃除のときくらいです。
「毎日いろいろな角度で使う」という前提が崩れると、アームの価値は「机が広くなる」だけに縮みます。それだけならモニター台や、そもそも付属スタンドでも足ります。
2. 机が広くならなかった
アームで空くのは、モニターの土台が占めていた面積です。ところが多くの人は、その空いた場所に物を置きません。モニターの真下は手が届きにくく、視界も塞ぐので、結局そこは空いたままになります。
逆に、モニター台を使っていた人がアームに替えると、台の下の収納スペースを失います。キーボードを台の下に滑り込ませていた人には、これは明確な後退です。
3. クランプ跡が残る
天板をクランプで挟むので、天板の表と裏に圧痕が残ります。柔らかい素材ほどはっきり残ります。賃貸の備え付け家具や、共用のデスクだと問題になります。
付属のゴムパッドである程度は緩和できますが、長期間強く締めていれば凹みます。「跡が付いても構わない天板か」は、買う前に決めておく必要があります。
4. 揺れる
キーボードを強く打つ、机に肘をつく、といった動作でモニターが揺れます。特に天板が薄い・たわむ場合と、アームの支柱が長い場合に出ます。付属スタンドは揺れないので、ここは体感で後退します。
5. 取り付けられなかった
これが一番多い失敗です。次の章で条件を書きます。
取り付け可否は天板で決まる — 買う前に測る4項目
天板の厚み
クランプ式の対応厚みは、おおむね10〜85mmの範囲で製品ごとに指定されています。厚すぎても薄すぎても付きません。薄い天板は、挟めても後述の強度の問題が出ます。
天板の奥のスペース
クランプは天板の縁を挟むので、机の奥に数cmの余白が必要です。壁にぴったり付けている机、背面に幕板(板)がある机、奥に配線トレーがある机では、挟む場所がありません。
これは意外と見落とされます。机の裏側を覗いて、縁が挟める形になっているかを先に見てください。
天板の材質
ここが強度の話につながります。
- 無垢材・集成材(厚さ25mm以上) — たいてい問題なし
- 合板・MDF(厚さ20mm以上) — おおむね可。ただし荷重が大きいと沈む
- パーティクルボード(低密度・化粧板仕上げ) — 要注意。ニトリやIKEAの安価な机に多い
- ガラス天板 — 不可。割れます
- 中空構造(ハニカム) — 不可。IKEAの一部の天板が該当。挟むと潰れます
耐荷重
アーム側の耐荷重(例:2〜9kg)とモニターの重量を照合します。スタンドを外した状態の重量で比較してください。カタログのモニター重量はスタンド込みで書かれていることがあります。
補強プレートは要るのか、要らないのか
補強プレートは、クランプの力を天板の広い面積に分散させる金属板です。結論から言うと、多くの場合は要りません。 要るのは次のケースです。
要るケース
- 天板がパーティクルボード、または厚さ18mm以下
- 天板が中空構造(この場合はプレートを入れても推奨されないことが多い。メーカーに確認)
- デュアルアームや大型モニター(27インチ以上・重量6kg超)で荷重が大きい
- 天板にすでに凹みができ始めている
要らないケース
- 天板が無垢材・集成材で厚さ25mm以上
- 24インチ以下・重量4kg程度のシングルモニター
- アーム付属のゴムパッドで十分に面圧が分散している
判断に迷ったら、取り付けて1週間使い、天板の裏を確認するのが早いです。凹みが出ていなければ不要です。プレート自体は1,000〜3,000円程度なので、心配なら最初から入れておいても損は小さい、という位置づけになります。
注意点として、補強プレートは「天板が薄い」を解決しますが、「天板が中空」は解決しません。中空天板は面で支える構造ではないので、プレートを当てても内部が潰れます。ここは代替策(グロメット式に変える、天板を替える、アームを諦める)が必要です。
アームが明確に有利なケース
否定的に書きましたが、次に当てはまるならアームは正解です。
- モニターを縦回転(ピボット)させる — 付属スタンドでは対応していない機種が多い
- 3枚以上並べる/上下2段に組む — 物理的にアーム以外の方法がない
- 机の奥行きが浅く、モニターを机の外側にせり出したい
- 付属スタンドの高さが合わない — 安価なモニターは高さ調整が付いていないものが多く、これはアームでしか解決できません
- 立ち作業と座り作業で高さを変える
4番目は実利が大きいところです。3万円以下のモニターは高さ固定のことが多く、その場合「本を積んで高さを合わせる」か「アームを買う」の二択になります。
まとめ
- やめる理由の大半は「位置を動かさない」「机が広くならない」「取り付かない」
- 買う前に天板の厚み・奥の余白・材質・耐荷重の4つを測る
- ガラス天板と中空天板は不可。補強プレートでも解決しない
- 補強プレートが要るのはパーティクルボード・18mm以下・デュアル/大型のとき
- アームが本当に効くのは縦回転・多面構成・高さ調整なしモニターのとき
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